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貧乏な家庭環境でボクはこうして育てられた

2019.1.31

美容室Lilyスタイリスト:木村 賢司

木村家貧乏生活の幕開け

 

家族構成は父、母、兄、そしてボクの4人だ。

 

父は兄とボクのために、ボクらが生まれる前から数百万円ほどの準備金を父がたの祖母に預けていた。銀行だと自分で使ってしまうからと実の母親に預けたそうだ。

 

だが、結果としてはそのお金を全て祖母に使われていた。

 

この一件が木村家貧乏生活の始まりだ。

 

ボクの両親の子育て計画はもろくも崩されたのだ。

 

もちろん子育てには膨大なストレスと手間とお金がかかる。

 

両親は今思い返すと明らかに苦労していた。母はそんな父の姿と両親の事情を知らない無邪気な息子2人の姿を見て自分を責めていただろう。

 

父はいつも家族を想っていた。父は私欲をモノやサービスから家族に向けていた。実際に無駄遣いをしているところは一度も見たことがない。というか、自分の欲しいものを買っている姿すら見たことがない。買って帰ってくるのはいつも食料と母と兄とボクが欲しがっていた何かだ。

 

当時の幼いボクはそんな世界しか知らないので「そんなもんだろう」とすら思ってもおらず、

 

眼に映る景色はみんなが見ている当然の景色と思っていた。残酷で滑稽な話だ。

 

だが、遅すぎるのだが大人になってようやく気づいた。

 

クッソ貧乏だったじゃんwwwって。

 

どれだけ貧乏だったかって、鼻をかむのにティッシュを2枚使うだけで怒られるほどだ(笑)

 

いや、笑い事ではない。むしろこの経験は「何かをやるにおいて無駄な経費は削ぎ落とす」という学びにつながった。

 

1円を笑うものは1円に泣く。ティッシュという規模だから笑えるが、会社という規模で考えれば大きな経費削減につながるキホンのキだ。

 

【なぜ懐は貧乏ながらに心は豊かに生活できていたのか】を考えると学びにあふれていたわけだ。

 

 

想うことはシンプル。「両親への尊敬」

 

ボクが大人になるまで(まぁ高校の頃からチラッと気づいてはいたけど想像以上だった)家庭の経済状況が壊滅的だったことを気づかせなかった両親。

 

普通なら「お金がないから」とか言うのだろうが、そんなことは言わなかった。

 

母は兄とボクの前ではいつも笑顔だった。時には家事をこなすだけでなく朝から晩までパートで働いたりもしていた。父はいつも日をまたいで働いていた。

 

そんなに働かなくても生活はできる。

 

なぜそんなになって働くのか。今になってわかる。

 

兄とボクの将来の自由性を高めるためにだ。

 

計画は崩され、背負っているものもある以上、やるしかなかったのだろう。

 

父の性格は情に厚く、極めて挑戦者だ。そんな父が挑戦を捨てたということはそれだけ家族を確実に育みたかったのだろう。

 

2人の子供がいる以上、下手なリスクは負えない。情に厚い性格がその選択を導いたのだろう。

 

追い詰められて目の前の仕事しか見ることができず、消耗していた両親を哀れに思う人間もいるだろうが、そんな風には思わないでほしい。自慢の親なんだ。お願いだから、目をそらして欲しい。

 

 

両親はいつも「2人の夢だけは支えてあげたい」と言っていた

 

両親に「夢はないか?」と聞くと「あんたが楽しく働いて幸せに過ごすことや。」と言われたのは記憶に新しい。

 

おかげで貧乏ながらに【教育だけはリッチ】だった。

 

お菓子やゲームはなかなか買ってもらえなかったが、教材は無理をしてでも好きなだけ買ってくれた。

 

現在、兄は関西の名門大学の大学院に在籍し、成績はトップクラス。ボクにとっても嬉しい自慢の兄だ。兄のことを聞かれるといつも自慢する(笑)

 

兄は家庭環境が極めて貧しいことに気づいており、成績も中学までいたって平凡だったこともあり、「これ以上親に負担をかけてはいけない」と部屋にこもり、ひたすらに頭を使い、ペンを走らせていた。今もそうだ。

 

実際に兄とは中学以来、朝の登校前と食事、寝る前の風呂以外で顔をあわせる機会はほとんどなかった。

 

だからさほど仲がいいとも言えない。だが、お互い尊敬の念だけは持ち合わせている。家族の絆だ。

 

対するボクは専門学校に通い、今こうして好きなことだけで、好きな人だけに囲まれて、楽しく毎日を過ごしている。

 

これはボクにとっての幸せであり両親にとっての幸せだ。

 

この現実を冷静に見てボクは両親に驚嘆し感謝している。「なぜあの貧乏な家庭環境の中で兄とボクはこんな道を進むことができたのだ」と。

 

感謝を忘れてはいけない。感情貧乏にならず、常に感謝を噛み締めて前を向くのだ。

 

話がそれるが、ボクは人間の良さは【感情】だと思っている。感情なき人間は機械にとって代わる。感情は人を動かす。お金では動かない人をも動かすのだ。これこそが【感情】が人間に残される【唯一無二の価値になる証】だろう。

 

ボクは素直に素晴らしい家庭に生まれたと思っている。

 

この経験は何よりの財産だ。【稼ぐことが男の正義、そして幸せに繋がる】というボクの考えは打ち壊された。

 

しっかりと育てられて、社会に送り出してもらった。ボクの両親は仕事においてはダメだったが、子育てにおいては大きな成功者となるだろう。

 

稼ぐことが正義でない。お金で買えない素晴らしいものに囲まれた時、人は幸せを感じるものなのだと体感して教わった。

 

「とはいえお金はある程度必要だ」なんて当然のことは言わないでほしい。そんな次元の話ではない。

 

ボクはあたたかい両親、兄に心から感謝し、噛み締めて前を向いている。ただ、それだけだ。