美容師の手荒れを体質改善で解決に導く
2016.2.8
Lily 代表:柳本 剛
こんにちは!
くせ毛、縮毛矯正、ヘアケアの専門特化集団 表参道・青山の美容室Lily/リリィ代表
美容家の柳本です^^
今回は美容師さんからのご質問を頂きましたので、ご紹介させて頂きたいと思います。
美容師さんの手荒れ問題って、もうずっと何十年も前からあり続けていますよね?
という事は、きっと根本的な解決策は未だに見つかっていないという事でもありますね。
僕自身「何でこんなに肌が弱いんだ!!」って、自分自身に苛立ちを覚えるほどに肌が弱いです。
下の写真は僕のアレルギーの検査結果なのですが、
大別される8種類のアレルギー源のうち、すべてのアレルギー源に対して高いアレルギー値を示しています。
特に赤く表示されている「+++」が最もアレルギー値が高いのですが、8種類中6種類が該当しています。
自宅でネコを飼っていますが、丸枠が示すように、ネコに対してもアレルギーがあるのです汗
その検査から1年後に検査した数値を見ても、
赤線のアレルギー値ですが、健康な人の100倍のアレルギー体質である事が分かります。
だからこの悩みは全く他人事に聞こえず、どうにかして少しでもよくなる方法はないかなって常に考えています。
というかこの状態でよく美容師やってるよね、というレベルのアレルギー体質です。
もはや気合いと根性です笑
Contents
美容師1年目で顔まで荒れる
元々肌が強くない事は理解していたのですが、サロンで働き始めて想像よりも早く、そして凄い勢いで手荒れと肌荒れが進行しました。
日中、常に手が痒いのはもちろん、夜寝ている時も無意識に掻いていました。
保湿などは丁寧に行っていたのですが、それでも症状は治まるどころかどんどん進行していき、ついに顔まで到達し、翌朝起きたら体中、顔中が血だらけになっている事も多々ありました。
さすがにこれはどうにかしなければと思い、美容師御用達の皮膚科を何件も紹介してもらい通院しました。
そこで出会ったのが「ステロイド」です。
まさに魔法の薬のようでした。
あんなに辛かった手の痒みや手荒れが一瞬にして良くなっていくのです。
このステロイドのおかげで美容師を続ける事が出来ました。
脱ステロイドを試みる
ステロイドのおかげで美容師を続ける事が出来たのですが、「ステロイドは副作用もあるため常用は控えたほうがいい」という話を幾度となく聞いてきました。
そのため過去に何度も脱ステロイドを試みました。
その時に偶然知ったのが「ホホバオイル」でした。
今までステロイドでなければどうにもならなかった僕の肌が、ホホバオイルのおかげでずいぶんと改善されました。
ホホバオイルを使用するようになってからは、ステロイドの量も徐々に減っていき、最終的には使用しなくても大丈夫な状態にまで回復しました。
僕の中ではこの事は本当に奇跡のような出来事でした。
根本的改善を模索
ステロイドを使用しなくなってから3年ほど経ってからです。
働き方を現在の完全マンツーマンスタイルにしてから、また体に不具合が出るようになってきました。
この時はあまりにも症状がひどく、仕方なくステロイドへ戻しました。
しかしステロイドは炎症や痒みを抑えるには、非常に効果的である反面、その根本的な解決にはなりません。
そこで僕は炎症や痒みの根本的解決を試みる事にしました。
根本的な改善を考えていく上で、やはり体質改善をしていくのが1番良いのではないかという結論に達しました。
なぜ体質改善?
体の免疫力が落ちると、アトピーや花粉症などの症状が出やすいと言われています。
手荒れやアトピーになりやす方というのは、元々免疫力が低いか、生活環境上免疫力が落ちていると考えられます。
アトピーなどのアレルギーは体の免疫力を上げる事で、改善していく事も可能だそうです。
ですので体質改善を行い、体の免疫力を上げるという事は、アトピーや手荒れで悩む方の根本的解決に繋がると考えられます。
特に美容師は生活習慣そのものが不規則なため、免疫力が低下しやすい傾向にあると思います。
まずは食生活から見直す事が必要不可欠です。
ファスティングと食生活
では体の免疫力を上げるにはどうすればいいか?
免疫力の7割は「腸」で作られていると言われています。
腸の環境や負担を改善する事で、免疫力自体を高める事が可能になります。
僕はその方法としてファスティングを選択しました。
ファスティングと言えば、ダイエットを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、ファスティングはそもそも体質改善のために考え出されたものです。
飽食の日本では必要以上に腸を酷使しています。
酷使された腸は、その機能を十分に発揮出来ていない場合が多いです。
そのためファスティングにより、腸を3日〜7日ほどお休みさせ、万全の状態へと戻してあげる必要がるのです。
それを月1回のペースで行います。
僕が以前書いたファスティング記事です。
ご参考までに。
1日の食事を1回〜2回へ
1日の食事の回数も腸への負担と関わってきます。
昔は3食摂ることが良い事だとされてきましたが、それは昔の食事の栄養素が低かったからであり、現代の栄養たっぷりの食事では1回か2回でも十分なのです。
回数が減ればその分、腸への負担も減らせます。
そのため僕は1日の食事の回数を1回か2回にしています。
タラソテラピーで体質改善
タラソテラピー(海洋療法)というものがります。
海水の力で体質を改善したり、肌や髪の調子を整えてくれる作用があります。
海水には僕たちの知らない不思議な力があるのかもしれません。
タラソテラピーの体験談です。
タラソテラピーを受けての発見がこちら。
漢方による体質改善
これは僕のアトピーのお客様に教えて頂いたのですが、脱ステロイドのため、漢方による体質改善を行ってくれる先生がいる事を知りました。
漢方と言っても様々な種類がある事を知り、早速この先生の元、体質改善に取り組みました。
漢方は飲むだけが漢方ではなく、塗る漢方というのもあります。
外から炎症や痒みを抑え、内から体質を改善するのが漢方の特徴です。
漢方を続けていくうちに先ほどのアレルギーの数値も減少していきました。
薬に頼るのではなく、体質改善を
現在手荒れや肌荒れでお悩みの方は、ステロイドで症状を抑えるのではなく、ファスティングやタラソテラピー、漢方により、体質改善を目指すという方法を是非オススメしたいです。
これらで完全に改善される保証はありませんが、かなりの割合の方がここまでの改善法で良くなると言われています。
手荒れで悩み、改善する方法が分からなかった方などは、1度試してもらいたいです。
良くなるかはやってみなければ分かりませんので、まずはやってみる事から始めてもらえるといいのではないかと。
もしそれでも良くならない場合は
ここまでやって良くならない方もいます。
はい、僕です。
なんせ通常の方の100倍のアレルギー体質ですので。
おそらく美容とは無縁の世界へと行かない限り、僕の症状は治まる事はないでしょう。
僕が命を削りながらも美容に取り組んでいるという所以はこの辺りにあります。
もはや僕は美容が好きとか以前に、きっと美容こそが僕の天命だと思っています。
だからこの命は、美容という名の天命を全うするために存在するのですね。
話が逸れてしまいましたが、それでも良くならない方。良くならないけど美容師やりたいという方。
そんな方には僕はステロイドを勧めています。
いやいや、ステロイド使わない方がいいって言ったじゃん!と思うかもしれませんが、ここまでの段階の方は、ステロイドなしに美容を続ける事が不可能に近い方です。
そうであるならば、僕はうまくステロイドと付き合う方法を模索していく事が良いのではないかと思います。
この段階の方がステロイドを使用しないのは、肉体的にも精神的にもかなり追い込まれます。
ですのでそこは無理せずステロイドを使ってあげましょう。
ちゃんとした睡眠を取れる状態というのも、体のためには必要不可欠です。
ステロイドを無理にやめて、睡眠が取れなくなってしまうのは本末転倒です。
どうやってステロイドと付き合う?
まずはステロイドの強さを使い分ける事がいいかもしれません。
皮膚科に行くと、様々なステロイドの薬を調合してくれるので、ご自分の症状をしっかりと抑え込む強さのものと、炎症や痒みが治まった時に使用できる、比較的強さの弱いものをもらうようにしましょう。
さらに顔・首用、体・手用など部位ごとに調合を変えてもらうと、体への負担をさらに減らせるでしょう。
そして皮膚科でもらえる非ステロイドの保湿クリームもしっかりと受け取りましょう。
有名どころだと「ヒルドイド」です。
ヒルドイドはその辺の高級美容液よりもよっぽど優れているとさえ言われていますので、安心して使用する事が出来ます。
先生に「ヒルドイド下さい」と言えば、まず置いていない所はないというのも、ヒルドイドの強みです。
基本はステロイドをベースに使用をしていくのですが、症状がある程度収まってくれればヒルドイドに切り替えます。
*ステロイドだけで完治出来るような方は、強めのステロイドで一気に完治まで持って行ってください。
特に冬場は手荒れする方にとっては地獄です。
おそらく冬場の間はステロイドが手放せないと思います。
少し暖かくなってきても今度は花粉に反応して荒れます。
梅雨時期くらいまでは辛抱が必要です。
夏は夏で汗で痒くなるのですが、乾燥がない分ヒルドイドに切り替えやすいです。
こういう時期に出来るだけステロイドの使用量を減らし、保湿クリームで対応していくようにしましょう。
それと同時に体質改善も行うようにしましょう。
それだけでもステロイドの使用量がずいぶんと減ってくれます。
とにかく乾燥をさせない事。
痒みがあるならステロイドを使いましょう。
症状が落ち着いている時はなるべくヒルドイドなどの保湿クリームでケアしましょう。
以上が十数年手荒れやアトピーと付き合ってきた、僕なりの対応策です。
細く説明するとまだありますが、それはまたの機会にでも。
柳本 剛