練習よりも営業時間がよっぽど大事
2016.5.7
Lily 代表:柳本 剛
こんにちは!
くせ毛、縮毛矯正、ヘアケアの専門特化集団 表参道・青山の美容室Lily/リリィ代表
美容家の柳本です^^
練習より営業時間がよっぽど大事
最近人を育ててる事もあり、色々と思うところがあります。その状況(人を育てる)になると思い出す事ってたくさんあって、ここ最近思い出したのは、
「練習よりも営業時間の方がよっぽど大事」という話。
はっきり言って、自分一人で黙々練習する時間があるなら、人気のある美容師のヘルプやアシスタントをする方が何百倍も価値があるとつくづく思う。
これホント。
練習すればするほど上手くなると思うじゃないですか?それが案外そうじゃなかったりするんです。
恐らく僕が思う最も早い上達の方法は、その道で1番の人に教わる、パクるという事。サロン勤めの方であれば、そのお店で1番の人の仕事を舐め回すように観察し、隙あらばヘルプに入り、直にお客様に接する事。
間近で観察し、感じ取り、出来る限りの事を盗む。技術も会話も接遇も。余すことなくパクって、マネする。そして営業が終わったら必ずそのスタイリストと密な終礼を繰り返し行い、なぜそうしたのか?自分のあの行為はお客様にとって正しかったのか?自分ならこうするが、◯◯さんならどうしますか?などなど、色んな事を聞きながらたくさん成長させてもらえばいいと思う。
アシスタントとの終礼でも、「あのヘルプは大丈夫でしたか?」とか「カラーの塗りは大丈夫でしたか?」とか聞いてくる人多いと思うんですけど、
実際そんなこと割とどうでも良かったりします。
僕はヘルプなしで自分だけでも出来るから、ヘルプが上手いとか下手とかどうだっていいです。むしろ手伝ってくれるだけこっちは助かってたりします。それに技術的な事だって、アシスタントの分までちゃんとカバー出来るし、その責任と覚悟があって一緒に入ってもらってますからね。だから出来てる出来てないは割とどうだっていいです。
もちろんそれは技術的に不足しててもいいよ。という訳ではなく、ちゃんと磨き上げられた技術でなければなりません。
というか技術があるのは前提条件です。
だけどそこばかりに目がいってしまってはダメだよ。という事を知ってもらいたいのです。お客様が何を求めているのか。どうして欲しいのか。自分には何を求められていて、どうすればそのお客様の1番を満たす事が出来るのだろうか。その部分をしっかりと見極める力を若いうちから身に付けておいた方が良いと考えています。その力こそが後々大きな糧となる事に気付くはずです。
だから本人が意識しなければならない事は、己の技術の事ではなく、それよりももっと気付いて欲しい事がたくさんあります。自分が担当した事でそのお客様がハッピーになってくれているかどうか。その事をちゃんと1番気にかけて欲しいんですね。細かい気遣いなんかもそうですけど、僕自身がそのお客様に入ってなくても、お客様がすごく楽しそうにしてたりとか、そういうところ。
究極は僕じゃなくても、「この子なら安心して髪の毛を任せれる」ってお客様に思ってもらえる事だと思っています。「もう柳本さんじゃなくて良いよ♪」って言われるくらいで丁度良いです。
ちゃんとお客様とより良い関係性を築ける事。その事に注力していく事がとても大切だと思います。
若い頃のたくさんの失敗が自分の経験となり、自信となる
僕自身はそうやって成長させてもらいました。それまでカッターとカラーリストが分業制になっているサロン(1店舗目)で働いていたため、カラーの配合の知識は十分にあったのですが、自分でカラー剤を決めた事などがほとんどなく(分業制のサロンではカラーリストが配合を決め、アシスタントはひたすら塗りまくるため)経験値が完全に不足していました。
それでもそのスタイリスト(2店舗目)は僕に全てを任せてくれたのです。その事自体が良いか悪いかはさておき、僕自身としてはこの時に非常に成長する事が出来ました。今まで頭の中で妄想のように繰り返していたカラーの配合を、これで実際の人の髪で出来る!と笑
今まで何千人ものカラーの配合を見てきたし、この頃から自分自身の配合論を持っていましたので、後は実践あるのみ!もちろん妄想と現実は違いますので、なかなか上手くいかなかったり、失敗する事ももちろんありました。それでもこの時にたくさんの失敗を経験できた事は、後の大切な財産となっています。
技術以上の価値があるのか
その後、そのサロンで最も人気のスタイリストの専属として働く事が出来、またそこでも多くの事を直に学ぶ事が出来ました。
売れる人は何が違うのだろうか?そのスタイリストがなぜ人気なのかが分からないと、いくら技術的に上手かろうがお客様に支持される美容師にはならない。
いや、そもそも人気な美容師は案外技術力で売ってなかったりする事に気付く事にもなりました。この言い方だと人気があっても技術力がないみたいな聞こえ方になってしまいますね。そうではなく、もちろん技術力はあります。というか人気な美容師は技術があるのは当たり前と捉えていなければならないように思います。技術があるのは当たり前。その上で他にどんな価値の提案が出来るんだい?って事が重要になってきます。
もちろんその他の価値というのは、その人それぞれ違うのでここに答えというのは全くありません。ですが、この事で僕が気付けたのは、人気のないスタイリストは半端な技術のこだわりや、または凄い技術がないとお客様がつかないと信じている事なんです。
技術にこだわりがあって、お客様にそこを価値として見出してもらうには、本当にそれこそその道で1番になるつもりで励まなければなりません。そこまでの覚悟がなくして技術屋での美容師は務まりません。
僕自身の勝手な解釈ですが、経験上人気のスタイリストってみんながみんな技術的に上手いわけではないと思うんです。逆に技術的にはとても上手で尊敬できる人でも全く泣かず飛ばず、なんてのはザラです。僕もかつてそういう考えで、カットが上手ければお客様は必ずついてくると思ってたんですね。でも実際はそうじゃない方のほうがお客様に支持されてたりするんです。不思議でした。
技術の上手いスタイリストは、こだわるポイントが美しいカットラインであったりとか、美しいシルエットであったりとか、綺麗なフォルムの収まりだったりするんです。だからスタイル写真持って行って、「この写真通り切って下さい」って言えば、物凄く上手に切れるんです。でも同じ髪型になったのに似合ってないんです。それはそのスタイルを上手に切る事が1番のポイントになっていて、そのお客様に似合わせるって事が完全に抜けてたりすんですね。
それと同じで、ケミカルに強い人とかもそういう所に陥りやすいですよね。ダメージの少ないカラー、美しいカールのパーマ、ツヤツヤの縮毛矯正などなど。そういう部分ばかりに目がいって肝心なところに気付かない。
お客様から支持されている美容師の人の仕事を見たり、話をしていて思うのは、そういう人たちに限って技術やケミカルにそこまで関心がなかったり重きを置いていなかったりする事。それで大丈夫!?って思うような知識や技術でも、結果お客様に支持をされているという事。
それでもお客様に支持されている事が1つの正解だと思うし、お客様の求めているもの、またはそれ以上の感動を与えれるって事が、そもそもその人じゃなきゃいけない価値だという事になる。
こだわる事も大切だけど、僕たちの仕事はお客様あってのもの。人対人の仕事なんだよね。だからその核となる部分をしっかりと理解した上で仕事に臨まなければならないんです。
それでも僕らは両方を極めたい!
お客様に支持されたいし、技術やケミカルにもこだわりたい。その道は想像以上に険しいです。正直。だって1つの道を極める方がまだ出来そうだから。それでもそれらの事を全部極めたいなって思ったんです、僕ら。
すげー大変だけど、それが僕らの理想だから。
お客様にがっつりと支持された上で、こだわりを持った美容師集団でありたいという願いがLilyそのものなんです。
だから次の世代もその願いや想いをしっかりと語り継いでいってもらいたいというのが、今の僕の願いでもあります。
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怒濤のゴールデンウィーク終了!

今日も良い1日でした♫
