美容人生のバイブル
2016.6.18
Lily 代表:柳本 剛
こんにちは!
くせ毛、縮毛矯正、ヘアケアの専門特化集団 表参道・青山の美容室Lily/リリィ代表
美容家の柳本です^^
みなさんには「人生のバイブル」みたいなものってありますか?
僕は美容人生におけるバイブルと呼べるものがあります。このバイブルのお陰で自分の美容師としての道筋を明確に知る事が出来たと言っても過言ではありません。
それは一冊の本です。
もう何十年も前の本ですね。僕がこの一冊の本に出会ったのは高校生の時。
当時僕は美容院でバイトをしたいと思っていました。ですが、現実は非常に厳しいものでした。美容師免許のない高校生を雇ってくれる美容院はどこもありませんでした。
それこそ、自分が行けるであろう徳島、香川、愛媛の美容院を片っ端から当たりましたが、どこも受け入れてくれませんでした。
僕が高校生の時は現在のようにSNSもなければ、まだまだHPすらない美容院が大半でした。もちろん田舎というのもありますが笑
美容院を探す手段はタウンページ笑 今じゃ到底考えれないですよね。でも当時はこの方法でもなければ、1つ1つの美容院を知る事は出来ませんでした。
そして僕はどうしても美容院で働きたい一心で、タウンページに掲載されている美容院であろうところに片っ端から電話をかけました。もはや働けるならどこまでも行くつもりだったので、片道2時間(バイクを飛ばして)とか関係なく電話しました。
もちろん技術的な事や接客が出来る訳ではありません。僕が出来るのは掃除くらい。
でもね、僕が掃除したら今までに見た事がないくらい綺麗にする自信があった。
何も出来ないけど、誰よりも自信があった。
だって自分が本当にやりたい事だから。
それくらい出来て当たり前。そうじゃなきゃ雇ってもらう意味ないじゃないですか。
そんな熱意をめっちゃ伝えました。誰も雇ってくれなかったけどね笑
悔しかったから必ず電話の最後に、
「僕、絶対有名になるんで、その時まで柳本剛という名前を覚えといて下さい!!」って言ってた笑
まあそういう反骨精神みたいなのが、「自分の頑張る原動力」になっているのも事実なんですがね。
そんな中転機も訪れる
当時、元カノのお父さんが美容室を経営してたんですね。そこでダメ元でお願いしました。
「お金いらないんで働かせて下さい!」って。
僕に必要なのはお金や時間ではなく、経験なのだと認識していました。片道1時間半くらいかかりますし、もちろん交通費なんか出ないですよね。
でも当時そんな事なんてどうでもよくて、ただ単純に美容師を経験してみたかった。美容を知りたかった。美容師ってどうしてそんなに魅力があるのか体験してみたかった。
だから少しの期間だけでしたが働かせてもらいました。
きっとこの時の経験があるから、今でも知識欲や経験欲がハンパないのかな。だって学べる機会って実はそんなに多くないのかもしれないし、自分が学べる時に学べるなんて誰も保証してくれないから。
学びたくても学べない悔しさを味わったからこそ、学べる意味や価値を誰よりも認識しているつもりです。
そんなわけで元カノのお父さんの美容院で働かせてもらう事に。
偉大な先輩に出会う
この時出会った女性の先輩美容師さんがいるのですが、それが僕にとっては大きな転換期になります。
僕が初めて接客を学んだ人であり、初めてシャンプーを教わった人であり、初めてワインディングを教わった人であり、僕に人生のバイブルを渡してくれた人です。
ちなみに初めてピアスを開けてもらったり、ブリーチしてくれたものこの先輩です笑
超絶不器用な僕に一生懸命ワインディング。。というかスライスすらまともに取れなかったのを、諦めずに教えて下さいました。
スライスだけで何時間かかったんだろう笑
この時にスライスやワインディングというものを教えてもらっていなければ、美容学校入ってどれだけ苦労したかと思うとゾッとします笑
その先輩のおかげで僕は美容師というものを知り、少しだけ美容師に近づけたように思います。
その先輩にシャンプーを教えてもらったのですが、未だにその先輩より上手な人に出会った事がありません。もちろん思い出補正付きなんでしょうが笑
だからいつも、その先輩より上手くなるにはどうやってシャンプーすればいいか?なんていう風に考えていました。
僕が越えたいなって思っている偉大な先輩です。
その先輩が僕にとって意味があると思い、渡してくれたのがこの「カリスマ美容師列伝」
読みすぎて擦り切れちゃってますね笑
それにしても凄いメンツですよね!しかも何が1番凄いかって、未だにバリバリ活躍しまくっているところ。
この本自体はもう何十年も前の本ですけど、この名前は現代の美容師さんが見ても誰でも知っていますよね。
それだけ長く繁栄しているという証拠。本物です。
いつも言っているように、一瞬の成功は難しくありません。こんな風に長く繁栄し続ける事こそ、困難であり本物です。
そんな本物の思考を高校生の時に叩き込めたのは本当に幸せでした。
本の内容は、若い時に一体どんな努力をして、どんな考え方をしていたかというものです。
僕のこの本の読み取り方は至ってシンプル。
この本に書かれている内容よりも3倍努力すればいい。
そうすれば必ず上手くいく。なぜならこの本では、皆さん周りの人たちよりも、2倍3倍努力をしてきたそうです。それよりも3倍努力するという事は、普通の人よりも9倍は努力出来る事になります。
皆さんが努力されてきた内容はどれも熾烈なものです。
僕の運がいいのは、この熾烈な努力が僕の「当たり前レベル」として認識された事です。
このくらいやるのが当たり前。僕にとってはこの本に書かれている努力が当たり前と思えた事で、その後のどんな辛い事でも乗り越えていく事が出来た事です。
「アノ人はこれくらいやってきた。なら自分はこれくらいやらなきゃ越えられない!」
「こんな時、アノ人はこんな想いでやってきた。それ以上の想いでなければダメだ!」
「アノ人は夜中の2時まで練習していた。じゃあ俺は4時までやってやる」みたいな感じ。
これは僕の当たり前レベルを構築してくれた、まさに僕にとってのバイブルです。
この本に出会えた事。この本を手にするキッカケを与えて下さった先輩に出会えた事。その先輩から美容を学べた事。
その全てに感謝し、僕自身もまた次代に残せるものを創造出来るよう、日々努めていきたいと思います。
柳本 剛