それでも僕は美容をやる
2017.4.27
Lily 代表:柳本 剛
美容師好きですか?
僕は美容師が大好きです。
愛しています。
きっと僕の天命は【美容】なのだと感じています。
でもね、美容師やりたくても、楽しみたくても出来ない時ってどうしてもあるんです。
それが僕ら美容師にとっては「手荒れ・肌荒れ」なんです。
手荒れや肌荒れと一括りに言っても、その症状や度合いは様々です。
日常生活に支障をきたさないくらいの時もあれば、夜も全く寝れず、一睡も出来ないほどの痒みに襲われ、お風呂に浸かっているほんのひと時だけが、唯一痒みが落ち着く瞬間という状態の時もあります。
痒みとは非常に厄介なもので、自分の力や意思では全くコントロール不能です。
痒いのに掻かないという選択が「絶対無理」なのです。
正直痒みの限界を知る僕にとって、痒みを我慢することはどんな拷問よりも辛いとすら思えてしまいます。
一日中何も出来ず、いっそのこと意識を失ってしまいたいくらいですが、意識のない眠っている最中ですら勝手に手が動き掻いてしまうのです。
もはや悪夢。
息をする事すらアレルギー反応を起こす身体
僕も最初は水で荒れるようになりました。
だから水や薬剤を全く触れないように仕事をするようになり、一時的には改善されました。
けれど忙しくなるにつれ、また次第に手や全身の調子が悪くなってきました。
原因を調べていくと、なんと僕は縮毛矯正のアイロンをする時に発生する煙(薬剤の揮発)により、アレルギーを起こしているということが分かってきました。
そう、僕は美容師をやる上で息すら出来ないのだと思い知りました。
大変お見苦しいですが、その当時の首元の写真です。
これはまだ初期症状の状態で、その後数日間で急速に悪化しました。
もはや痛すぎて首を動かすこともままならなかったので、あいにく悪化バージョンの写真はありません。
身体は初期状態でこんな感じ。
これくらいの段階から膿が広がり始めます。
数値上で見ても、僕は健康な方の100倍アレルギー体質だと言うことが検査でも分かっています。
今まで手荒れに関する記事などを書いてきたのですが、正直自分の痛々しい姿を晒したりすることに抵抗があり、避けてきた部分もあるのですが、どうして今回こんなお見苦しいものをお見せしたかと言うと、
こんな身体の強くない僕でも、今ではちゃんと美容を楽しめる状態になっているということを知ってもらいたかったから。
諦めなかった。諦めたくなかった。
それで今でも元気に楽しく美容やってます。
昨日の記事で、美容に対する「熱い想い」だけは失わないで欲しいと書きましたが、僕自身がその想いを失わなかったから、こんなボロボロの状態でも美容師を続けことが出来ました。
だからこそ想いの大切さを誰よりも感じています。
どうしても伝えたいのは、
美容師やりたかったら、美容師が好きなら、この大好きな美容師を続けてもいいんだよ、ということ。
その方法はきっと何かあるはずだし、何なら僕がこの状態から今はどうやって美容師を続けているのかを、僕の経験でしかありませんがお伝えすることも出来ます。
だから諦めないでね。って言いたいな。
この身体も悪いことばかりじゃないよ?
この状態で美容師をやってこれたのも、お客様とスタッフの【理解と協力】があってこそです。
こんな状態の僕でもお客様は引いちゃうどころか凄く心配してくれたし、今では「あの時はひどかったねぇ笑」とネタとして使ってくれます。
スタッフも僕の身体がどん底の状態でも支え、見放さずに付いてきてくれました。
あの時はもはや経営とかそんなレベルではなく、一人間としてギリギリの状態だったにも関わらずです。
お客様にもスタッフにも感謝しかないです。
そうやって自分自身がとてつもなく辛い経験をしてきたからこそ、周りの人たちの有り難さや温かみを知れるようになりました。
自分自身が様々な経験をすることによって、残念でしかなかった自分の身体が、実はこんなにも得することだってあるんですよ。
全ては捉え方かもしれませんが、僕はこの身体によって、人の温かさと信頼を知り、それと同時に人の痛みも知ることが出来ました。
もっと体質を改善したくて、沢山のことを勉強するキッカケにもなりましたし、様々な方法を自分の身体を人柱にすることによって経験し、それを誰かに伝えることが出来るようにもなりました。
身体に異常がなければ知り得なかったこと、経験し得なかったことを経験させてもらっています。
だから諦めなくて良かったと思うし、この身体で良かったと思います。
この身体を使うことによって、世界の誰かが幸せになるなら、僕はその役目を全うしますし、そこに後悔は微塵もありません。
そう、
それでも僕は美容をやるんです。
それが僕の使命だから。
それが僕の想いの強さだから。
美容師を諦めるな!
柳本 剛