全メニュー0円の男とカット54000円の男の対談
2017.11.29
Lily 代表:柳本 剛
先日面白い対談をさせて頂きました。
『全メニュー0円の男とカット54000円の男の対談』
なかなか面白い組み合わせのため、急遽プールマガジンさんの取材となった今回の対談。
全メニュー0円の挑戦をしているのは、なんと24歳の若さというコウくん。
ひとまず対談の内容は置いておいて、このコウくんの名刺に注目。
なんかもはやイジって下さいと言わんばかりの経歴w
てか、24歳って僕はまだ物心すらついていませんでしたけどね笑
この名刺には書かれていませんが、コウくんは幼い時から自分でお小遣いを稼ぐため色んな仕事をやってたみたいなんですね。
僕の経験上、幼い頃から自分で稼ぐ事を身につけてる人って本当にあらゆる面で強いですよね。
そう、一言で言えば
「生きる力」
とでも言いますか。
話を元に戻すと、この対談でみんなが気になるのは「どうして全メニュー0円にしたの?」って事だと思います。
もちろんカット54000円についても聞きたいかもしれません。
ですが、正直僕らから言わせてもらうとカットの料金がいくらかとかは別に大した問題じゃないって事です。
この意味が分かりますでしょうか?
批判も大いにあるでしょうが、あえて批判を恐れずに言うと、
「もはやメニューに価値はない」
という事です。
5、6年ほど前の経済観ですと、メニューそのものにも価値はありましたから、どんどん「◯◯カラー」とか「◯◯トリートメント」みたいなやつを投入していけば良かったです。
だから技術の差やサービスの内容の許す範囲で価格を設定出来た。
けれどそれはもはや昔の話。
時間が進むにつれ、世の中のみんなの価値観や経済観も変化します。
美容室でいうと、その一つが「メニューに価値がない」という事になります。
本来価値があるのはメニューそのもではなく、その人自身なのです。
それが評価経済・信用経済です。
世の中は確実にその方向に進んでいます。
あなたが何と言おうとどう考えていようと、世の中も時代も勝手に進んでいってしまうんですよね。
例えば、カットというメニューは僕じゃなくてもいいわけです。
近くにある美容室の美容師さんでもいいし、知り合いの美容師さんでもいい。
今の時代みんなカット上手いですから。
だけど僕という人間は僕でしかない。
柳本剛という人間の生き様は僕にしか表現出来ないわけだし、これまで積み重ねてきたものは僕自身にしか通用しない。
そうすると僕という一人の人間に対しての価値というのは、自ずと他の人とは違ってくるわけです。
それはもはや美容師同士での価値の比較とかいうレベルの話ではなくなってきます。
伝わりましたでしょうか?
要するにカット54000円という「モノ」に対する価値観の考え方では、「カットで5万円も払えない!高すぎる!」とか「5万円も払って一体どんな特別なサービスをしてくれるんだ」という話にしかならないわけです。
僕らはそんな次元で物事を見ていないからこそ、カット0円とか54000円なんていうアクションが起こせるわけなんですね。
じゃあ僕がカット10000円の美容師さんの5倍カットが上手いかというと、普通にそんな事あるわけないですよね。
カット54000円を支払う人がそんな事を期待してご来店するなんて事は、僕の経験上まずあり得ないです。
どうしてその方達がその金額を支払ってでも僕のところに来てくれるか?
それは僕という人間を気に入ってくれたから。
面白いヤツだと思ってもらえたから。
この言葉に尽きるのではないでしょうか?
それが信用経済が生み出す新しい価値の創出です。
メニューに価値があるんじゃありません。
カットに価値があるんじゃありません。
お客様はあなたの人柄に惚れているからこそ、あなたはそれに見合った金額をお支払い頂けるのです。
もちろんこの考えはずっと何百年も前から商売の基本として存在していました。
けれどその価値観を世の中の多くの人が共有する時代は今までにありませんでした。
これからは新しい価値観の時代の幕開けです。
まだまだ僕の周りには、カット0円を企んでいる人達がわんさかいます笑
「カットに価値なんかねー!」って叫びながら、この新しい価値観の時代に合わせた新しい働き方を選んでいます。
僕は逆にカットというのものに僕の価値を値付けするという方法を取ったに過ぎません。
方法は違えど、みんながこれから迎える新時代にワクワクしながら、自分のやりたいスタイルで突き進んでいます。
2017年の後半はそんな新しい荒波をいくつか見つける事が出来ました。
きっと来年はもっと新しくもっとワクワクするようなアイデアでこの新時代を切り進むイノベーターも出てくる事でしょう。
僕らはその一つのキッカケに過ぎません。
まだまだ面白い事が出来る。
それは先に進む人しか味わえない事かもしれない。
それなら誰よりも先に面白い事を味わい尽くしてしまえばいい笑
みんなで誰も味わった事のない未来を見てみたいじゃないですか。
そう、僕らは進めばいい。
柳本 剛