色持ちのいいカラーの方法
2016.1.17
Lily 代表:柳本 剛
こんにちは!
くせ毛、縮毛矯正、ヘアケアの専門特化集団 表参道・青山の美容室Lily/リリィ代表
美容家の柳本です^^
前回の記事では、僕自身「シャンプーの洗浄力の強さとカラーの色落ちの早さには因果関係はないと思っている」という記事を書きました。
カラーの色持ちを左右するのは、美容師さんの腕次第!とも述べましたので、今回はその理由をご説明していきたいと思います。
そもそもカラー剤の力を100%発揮する方法は決まっている
美容師さんの腕次第とお話ししましたが、カラー剤の力を100%発揮する方法というのは決まっているので、これは腕以前の問題なのです。
各メーカーさんから様々なカラー剤が発売されていますが、どんなカラー剤であっても、僕たちが一般的に使用する『酸化染毛剤』というタイプのカラー剤は染める方法はどれも同じです。
・まずは1度髪を脱色します(ブリーチ)
・脱色して明るくなった髪に、色素を入れます(酸化重合)
これが超簡単にですが、カラー剤の発色の仕組みなのですが、大切なのは2つ目の「色素を入れる」
ここがミソで、綺麗に色素を髪に入れるには、1つ大事なポイントがあります。
それは『時間』です。
この時間は揺るぐ事のない、大切なポイントです。
時間こそが、綺麗に発色をさせる最重要事項なのです。
『完全発色』する事により、色落ちは劇的に改善される
下の図をご覧頂くと、ちょっぴりだけ分かりやすくなるかもしれません(いつもの拙い図で申し訳ありません)
この図を見て分かる通り、時間をかけてあげれば色素は大きくなります。
逆に時間をあまりかけないと、その分色素の大きさも小さいままです。
色素が小さいと、髪から出やすくなる=色落ちが早い
という事になります。
ですので、カラーを行うときは出来るだけ色素を大きくし、髪から色素が出て行くのを防止してあげた方がいいわけです。
この色素が十分な大きさになる事を『完全発色』と呼びます。
3年ほど前に書いたカラーの完全発色について書いたブログがあります。
カラーはこの完全発色を行ってこそ、初めてその力を発揮すると言えます。
完全発色までいかず酸化不足のままでは、色素は小さく髪から出やすい、色落ちの早いカラーとなってしまいます。
完全発色をさせるか、させないか。
それはカラーの仕上がりを左右するほどの大きな違いを生みます。
完全発色をさせるには?
それではどのようにして完全発色をさせればいいか?
先ほど『時間が大切』と述べましたが、完全発色させるには、時間をきっちり管理してあげればいいのです。
ではその時間はどれくらい?
下の図をご覧下さい。
これはあるメーカーの、ブリーチと発色における相関図です。
この図を見れば、そのカラー剤が何分から完全発色するかが一目で分かります!
それはすなわち、ブリーチと発色の交わる点。
最低30分でカラーは完全発色する事が分かります。
カラーの完全発色においては、およそ30分〜40分が最も有効な時間となります。
基本的にこの仕組みは変わりませんので、どこのメーカーのカラー剤であろうが、完全発色を行うにはこのくらいの時間が必要となります。
この時間を短縮してしまうとどうなるか?
例えばカラーを塗り終えて、10分時間を置いたとしましょう。
カラーの時間を10分間置くとなると、発色はほとんど進んでいないにも関わらず、ブリーチばかりが行われていることになります。
ブリーチという髪への負担はあるものの、肝心の『発色=色が入る』という行為はほとんど進んでいないため、色味も浅く、色落ちも早いものとなります。
それは15分であろうが、20分であろうが、そう大差がない事はご理解頂けるかと思います。
10分や15分の短い時間で、目標の明るさまで色を入れるテクニックもあるのですが、結局はその方法でも完全発色には至っていないので、染めた直後は綺麗な色であっても、すぐに色が落ちてしまうというのは、このようなカラー剤の性質を無視したテクニックによるところが大きいためです。
もちろん根元染め(リタッチ)など、あえて色素を入れないほうがいいカラーの方法もあります。
全てにおいて完全発色させなければならないということはありませんが、綺麗なカラーを長く楽しみたいという方は、是非とも完全発色による美しいカラーをお楽しみ頂きたいと思います。
柳本 剛