夢なのか現実なのか?幻想的な10の場所
2013.2.21
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10.ロッテルダムのキューブ•ハウス /オランダ
オランダ人建築家ピート・ブロム氏は、オランダ、ロッテルダムに
“塊”を設計したことで良く知られていて、彼の中のイメージでは、
それぞれの構造体は森に生えている”木”であるという。
ブロム氏の考える”森”はどうやら一般の人々とは
かなり異なるようだ。
1984年に建てられたこれらのキューブ・ハウスは
既に人が住んでおり、住居や商業施設として使用されている。
うち一軒は公開用にしてあるので訪れる価値はあるだろう。
9.モンスター・キャビネット /ドイツ
ドイツ、ベルリン市内にある前衛的な観光スポットの
一つとして知られているモンスター・キャビネットは、
デッド・ピジョン・コレクティブとして知られる
アーティスト集団が、暗い裏通りの倉庫いっぱいに
奇抜な品々を集めたことからはじまった。
内部にはロボット達や不恰好な顔に似た彫刻、
巨大な虫や奇怪な生き物などが展示されている。
さらに薄気味悪さが加わるエピソードとして、
この建物は1995年にアーティストらに引き継がれたが、
1940年代にナチスから逃れようとユダヤ人一家が使っていた
隠し部屋だけは、いまだに手つかずの状態であるという。
8.デビルズ・ポストパイル /アメリカ
カリフォルニア州にあるデビルズ・ポストパイル(悪魔の石柱群)
という名の岩層は、多角柱玄武岩の例としては最大級だ。
これは玄武岩質の溶岩が湖のように溜まり、それが徐々に冷え、
応力点に沿ってひび割れたために形成したものだ。
高さは6階建てビルほどもあり、その姿は非常に独特で対称的だ。
同様に奇妙なのは、この柱の下にある破片が
全て同じものに見えることだ、レゴブロックに見立てて、
“悪魔のレゴ”といわれてしまうのも納得だ。
7.ゴブリンの遊び場. /アメリカ
ネバダ州にあるこれらの赤い砂岩層は本当に奇妙だ。
これは風と雨の神秘的な配合によるもの
(この地域で植物が繁殖しないのは風雨の量が共に多いため)で、
このような姿になるまでは何百万年もかかるという。
まるで生きているようだが、溶けて流れてるわけじゃない。
奇妙な生き物達の歪んだ横顔、何かのヒレや顔など、
幻想的で不思議な物達が勢揃いして、”ゴブリンの遊び場”
(又は”リトル・フィンランド”)への来訪者を待ち構えている。
6.石の滝 /メキシコ
場所は穏やかな気候のメキシコ南部なのに、
え?滝が凍ってるとうっかり思ってしまいがちになるこの光景。
実はこれは石でできた滝である。
オアハカ市にあるHierve el Agua (The Water Boils)の
観光用アトラクションの上にあり、凍りついた滝のようにみえる。
ここは湧き水で有名な場所で、それがこの奇想天外な
滝が出来上がった理由でもある。
かつて本物の滝があったのだが、その水がミネラルを
多く含んでいたせいで、滝の形がそっくりそのまま残されたのだ。
5.シャウエンの青い町 /モロッコ
シャウエン(またはシフシャウエン)はタンジェ近郊にある、
モロッコ人旅行者の間では人気の観光スポットだ。
その街を見下ろす2つの山にちなんでつけられた。
シャウエンとは”ツノ”を意味する。
しかしこの街はその2つの山で注目を浴びているわけではなく、
他の理由がある。なんとそこは全てが青いのだ。
この慣習は1930年代にユダヤの移民達が始めたもので、
この街全体の住宅やビルなどが様々な色味のある明るい青色に
塗装されていて、自分達の家の塗装を、塗り直すために
青いペンキを持って外にいる住民を見かけることは
珍しいことではない。
ほとんどの道はセントラル・プラザ通りと
ウタ・エル・ハンマム広場に通じているようなとても小さな町だ。
尚この地域はモロッコでも有数の大麻生産地でもある。
4.マクマード湾の棚氷 /南極
多くの科学者達は原始的な生命の起源について、
南極のマクマード湾にあるような棚氷の上で
起こったと考えているという。
この地域に住む調査員達は、常に巡ってくる
白夜(太陽が沈まず、常に明るいか薄明るい期間)と
極夜(太陽が昇らず、常に暗いか薄明るい期間)の中で
生活しなければならない。
それは彼ら一人一人の睡眠にかなりの悪影響を与えるに違いない。
そんな環境のおかげで、もはや夢から醒めているかどうか
区別がつかない状態にこの景色が加われば、
さらに夢の世界にいるような訳のわからない事になる気がする。
3.アンテロープ・キャニオン /アメリカ
ナバホ語で(Tse’ bighanilini)、岩を通る水のある場所を表す、
米アリゾナ州のアンテロープ・キャニオンは、狭い渓谷で、
急速に流れる水によってできる狭い裂け目である。
前述した”ゴブリンの遊び場”の砂岩と同様の
地質でできているため、周囲はとても滑らかだ。
微かな陽光が別世界的な感覚を与え、この光線抜きでは
憂鬱で暗い谷でしかない景色を、鮮やかに浮かび上がらせる。
余談だが、写真家や映画会社はこの場所が大好きだ。
2.ザ・ウェーブ /アメリカ
アリゾナ砂漠の一画にある古代の砂丘。
幾重にも重なる砂の層によって何千年もの間
地下に葬られていたが、数百年前にその表面が現れた。
水による浸食作用が鉄や鉱物の沈殿物を露わにし、
風がその表面を滑らかにした。
その結果、今はうっかり出くわすと脳が拒絶反応を起こして、
幻覚を起こしそうな景観になっている。
もちろん、アリゾナ州のこの景色にたどり着くのは
お手軽ではない。
生命に関わるほどの暑さや、当然ながら現地では
道に迷いやすいことを理由に、土地管理局は観光客を
ザ・ウェーブとして一般に知られるこの場所まで
案内することはないという。
ダロル火山 /エチオピア
エチオピアの砂漠の中、人口が極めて少ない地域に
多彩で豊富なミネラルに囲まれた火山口がある。
辺りは硫黄、塩、鉄、そして黄土に富んでいる。
そこには酸性の水たまりと温泉もあり、
とにかく火山と地熱活動に関連するものが全てそろっている。
これらすべてが集まって究極の極彩色と形成物を生み出し、
周囲はとても自然が作り出したとは思えないような景色となった。
ここには雪に覆われた平原みたいな場所もあり、
地獄をイメージして色彩調節された山みたいなのもある。
月面の水たまりみたいなものまで。
だがこの辺りを訪れたり、撮影をする人は滅多に無い。
それはこれらの奇妙な化合物によって有害なガスが
頻繁に漂うことと、この場所が暑い地域の中でも、
さらに最高気温を打ち出す地域だからだ。
ここの地名は地元の言葉で”崩壊した”という意味がある。
この場所を見たとき心に浮かぶ世界にぴったりな表現だ。
柳本 剛